智慧は女性の世界

今日は、般若心経の事を調べていて、鎌倉新書のHPに行き当たり、其の中に般若心経に付いて次ぎの様な説明が有った。

この文章からすると、「智慧」とは女性のモノである事になる。確かに、現在私の意識を支えているのは、男性の御霊ではなく女性の御霊の様である。


・・・「智慧」はインドの言葉では女性名詞であり、「智慧」によって仏が生まれるということから、

『大般若経』では「般若波羅蜜多は諸仏の母」と書かれ、後に密教の時代になると、「般若仏母」と呼ばれる女性の仏であると考えられるようになりました。

『般若心経』にも「智慧」を女神のように考えていたという側面がすでにある程度あったのかもしれません。

当時のインドはヘレニズム文化圏の東端にあり、ギリシャ、イラン(ペルシャ)系の王朝が次々と支配し、その文化の影響を受けていました。

仏像が生まれたのはギリシャ彫刻の影響ですし、救いや光の性質を持ったたくさんの仏・菩薩が生まれたのはイランの神々の影響です。

当時のヘレニズム文化圏では宗教を超えて霊的な「智慧の女神」に対する信仰が広がっていましたので、『般若心経』にもその影響があったのではないでしょうか?

ギリシャの智慧の女神ソフィアの影響を受けて、イランでは河の女神アナーヒターが智慧の女神となりました。アナーヒターは観音菩薩の誕生にも影響を与えたと言われています。・・・

                  ─引用終了─

鎌倉新書HP http://www.e-sogi.com/arekore/kyo1.html


中国の、老子の道徳経の言葉には「雄の立場を知った上で 雄の立場に身を置け」と有る。

確かに、私は自分の母親の姿を見ていると、母親は人間として最高の智慧を有している様な気がする。

其れは人間だけではなく、自然の中で生きる野生の動物が、子育てをする姿を観ていると、其の智慧の凄さには驚きを覚える。


人間以外の動物には、学校も無いし、言葉や文字も無い、其れなのに生きる智慧を継続しているのである。

特に、昆虫等は卵で放置され、孵化した時には親も居ないし、教育も受ける事も無いのに、勝手に生長して、また子孫を残して行くのである。

其の事を考えると、生命のDNAのシステムは完璧だと言える。其れは、我々が言葉や文字を使って積み上げている知識とは、別のモノである。

其の、動物や昆虫の生き方を見ると、人間社会の有り様は、実に不必要な物が多過ぎると考えられる。

現在の社会情勢を見ると、とても人類に智慧が有るとは想えない。

老子は、庶民に教育を行うと、賢しらが増えて、世の中は駄目に成ると謂っているし、インドの釈迦牟尼佛も言葉や文字を捨てなければ悟れないと謂っている。


其の、世界で最も偉大な二人がそう謂っているのに、現代社会の教育は其れとは反対方向に進んでいっているのである。

其の問題を、どう解決したら良いのであろうか。


文化の伝達には、二つの道が有る。

其の一つは、文字が無く、教育制度が無くても、生活の現場を通して伝えられて行く、人間の生き方・仕草そのモノの世界である。

そして、もう一つが、文字と其の文字が持つ概念に従って、民族や国境を越えて、他の民族や国にまで広がって行く情報の世界である。


現在の世の中は、二つ目の文字に拠る情報に拠って、他の文化が自分の部族・町・国に入り込み、

其れに影響を受けて、自分の民族のアイデンティティが失われて行く事が、顕著に成って来ている。

我々の暮らす此の日本国も、他国から持ち込まれた文化に拠って、変質を余儀なくされ、我が国の価値観・生活風習は本来の在り方を失いつつある。


しかし、そう成っても、母親が子供を産み育てる事の、基本的な処は護られて行くのであろう。

其の母親が、守り続けて行く文化が、本来の不変なる智慧に当たるのではないだろうか。


其の様に考えると、男性が言葉を発明し、左脳・言語脳を発達させて、築いて来た文化は二番目の文化であり、

主導権を握った統率者の意識に拠って変化するので、不変のモノではないと言う理・ことに成るのではないだろうか。


其の様に考えると、伝統を守りながら、子育てに成功した「嫗・おうな」の意見を、取り入れて行く事が、未来社会の創造には一番大事な事であると言うことに成る。

そして、其れこそが、是から2000年間続くと云われている「水瓶座・アクエリアス」の時代に、最も相応しい行動であると言う理・ことに成るのではないだろうか。

-2008年12月-