水の事に付いて、深く考えると、様々な事が見えて来る。
其れは、此の日本で一番雨の多い屋久島で生まれ育った私だから、感じる事なのかも知れない。
私の水に関する感覚は、子供の頃から肉体を通して感じて来た水の世界と、38歳から神の世界に入って掴んで来た水の世界の違いである。
そして今、また別の水の世界を感じつつある。其れは、科学的に水の世界を捉える事である。
今日感じた事は、人間は頭でモノを考えるが、其れは脳に、血液が酸素を運んでいるからであると言う理・ことだ。
血液には、ヘモグロビン・鉄が存在して肺胞から酸素を取り込んで、全身の細胞に送っている。其の身体の細胞で、一番酸素を消費しているのが脳である。
だから、脳が酸欠に成ると、人間の生命エネルギーは一気に低下するのである。
日本の諺には「目から鼻へ抜ける」と有る。
其れは、辞典によると、目と鼻はもっとも近い所に有る事から、頭の回転が早いさま、利口で物事を理解するのがすばやい事を言うらしい。
しかし、目と鼻の位置が近ければ、頭の回転が速いかと言うとそうではない。
其れは、蓄膿症の人が、記憶力が低いと言われている原因と反対で、鼻の空気の通りが良いと、脳に行く血液が良く冷却されて、脳がオーバーヒートしないからではないだろうか。
其れは、鼻詰まりの時に考えが冴えない事や、臭い感覚が無い時は、食べ物の味がしない事とも関係が有るだろう。
詰まり、鼻腔の中の湿り具合と、空気の通り具合が、人間の意識に深く関係が有ると謂う事である。
だからこそ、瞑想や武道なのでも、呼吸が一番大事にされるのではないだろうか。
其の働きには、全て水が関係しているのである。
血液は液体であり、脳細胞も殆どが水分である。
だから、其の水の量が減ったり、濁ったりすれば、当然働きが弱く成るであろう。
特に腎臓は、身体の有害物質を濾過する為に1日160リットルもの水を必要とするので、体内の水分が少なく成ると命に危険が及ぶ事に成る。
また、水は、気化作用に拠って体温調節をするのに役立ち、水は同じ濃度になろうとする働きがあるので、
体内の多くの細胞間でも水の出入りが調整され、体全体が同じ浸透圧のバランスで保たれている。
其れに拠って、塩・ナトリウムのバランスが計られてもいる。
水は、人体の温度調節を図り、様々なミネラルや栄養を体全体に運び、更に老廃物を集めて体外に排出する役割も担っている。
其れ等の事を考えると、人間は、質の良い水を不足なく手に入れる必要があるのだ。
宇宙は、水素原子に拠って全てが存在している。
そして、其の水の働きが最大限に生かされているのが、我々人類の存在であり、宇宙の進化の最前線に人間は立たされているのである。
其の理・ことを、我々人類は忘れて生きて行くわけには行かないのである。
-2008年11月-